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2007年12月 1日 (土)

水の話

ついさっきまで、人でいっぱいだった事務所がいきなり静かになった。

みんな別府へ向かった。私も後から自転車で(クルマは彼らに貸したので)別府中央公民館へ行って、彼らの『2時間でわかるアジア・太平洋の水問題』を聞かせてもらおう。

さて、ところで「水フォーラム」とか「水サミット」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

私は、大切な水が世界のすべての人に平等に行き渡るように、偉い人たちが智恵を出し合っているのかな、と漠然と思っていました。そして、「市民の側から意見を言わせて!」と言っている彼らは、「市民参加」ということを主眼に活動しているだけで、水サミットそのものは、何か、いいことしてるんでしょ? と、思っていました。

違うんですね、これが。昨日もらった資料を読んで、すっかり認識を改めました。

20世紀の終わり頃から、「世界水フォーラム」なる国際会議をやってきたのは、グローバル水道企業。つまり、水を売ってお金を儲けようとする人たち。「水」というのはまさにライフラインだから、たいていの国では公営だった。それが、最近は民営化されはじめ、水道の水が商品化され、高い値段がついてしまうことで、貧しい人は命を支えるための最低限の水さえ手に入らなくなる。経済のグローバル化が水にも及んでいるわけです。

「世界水フォーラム」は、実のところ水道屋が自分たちに都合のいい取り決めをつくってきただけだった。水を売って儲けたいだけだから、すでにインフラの整った都市部で採算のとれる商売をするほうに傾き、僻地に水道を引いてあげようなんてしない。

世界には、清潔な飲み水や体を洗う水がないばかりに病気になり、死ななくていいのに死んでしまう子供がたくさんいる。でもそんな地域には、企業が水道を引いたって元が取れるはずはない、貧しい人たちしか住んでいない。水を金儲けの道具と思っている人たちには、その人たちのことは目に入らない。

ことはすでに対岸の火事ではなく、日本でも、水道事業の民間委託の動きは起き始めている。「公営は不効率」といいう意識が浸透していて、何でも民営化すればよくなる、と思ってしまう風潮が、いまの日本には蔓延しているらしい。でも、記憶に新しい北海道北見市の断水騒ぎなどは、民間に業務委託して「効率化」を名目とした人員削減が行われた直後に起きた。

昔、聞いたことがある。公共料金のたぐいを滞納した場合、電気やガスは、督促に応じなければ止められる。でも水道だけは、命に関わることだから、止められてしまうことはない、と。本当か嘘か、私は滞納したことがないから、知らないけれど・・・

多少の不効率に目くじらたてるよりも、もっと大事なことを守るために、公共の、非営利の事業にしておかなければならないことは、あると思う。水は、その最たるものだ。

「おいしい水」を買って飲める人と飲めない人の「格差」なんてなまやさしいものじゃない。

「命の水」を飲める人と飲めない人、というまさに生死を分ける大問題に、日本に住む私たちも直面する日が来るのかもしれない。

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コメント

別府で開催された水サミットのニュースは耳にしましたが、中身についてはあまり知りませんでした。
何でも民営化には問題がありますね。民が安心・安全ということはありません。昨年の漢字「偽」は、そのことを改めて考えさせる出来事が多かったですね。

水についてもう少し知ることが必要ですね。

投稿: カタヤマ | 2008年1月 8日 (火) 20時43分

丁寧に読んでくださって、ありがとうございます。水については日本は恵まれすぎていて、ついそれが当たり前だと思ってしまいがちです。
別府なんて、
「お湯がほしけりゃ、掘ればいい♪」
みたいな気楽さがあふれてますものね・・・

投稿: かおり | 2008年1月 9日 (水) 08時28分

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